世界の名作椅子  バルセロナチェア

フランク・ロイド・ライト、ル・コルビジェ、ミース・ファン・デル・ローエなど、名作椅子の作者には、建築家がとても多いことはご存知でしょうか。
なぜ建築家が椅子を作るのか。
それは、椅子というのは、ただデザインが美しければいいだけでなく、人の重さに耐えなければならないという構造的な要素も内包し、その計算された美しさ故に建築家を魅了してきたからです。
椅子は、いちばん身近でいちばん小さな建築物とも言えるわけです。
もちろん、自分の設計した建築物の内部に添える家具としてデザインした、という経緯もあります。

そこで、ここでは改めて、一点一点の椅子をその生まれた背景とともに紹介していきたいと思います。

第一回はミース・ファン・デル・ローエによる、バルセロナチェアをご紹介します。
ミースは、現在のガラスを多用した外観の高層ビルの原型を作った人物とも言われており、彼の作風の特徴は軽やかで直線的な造形にあります。
今回ご紹介するバルセロナチェアは、ミースの代表作のひとつでもあるバルセロナパビリオンの内部に置かれるためにデザインされました。バルセロナパビリオンは、1929年のバルセロナ万国博覧会のドイツ館として作られ、パビリオンへのスペイン国王の訪問のために、バルセロナチェアが作られたのです。
ミースの近代的でシャープなデザインの特徴と、国王を迎えるに相応しい高級感とが見事に融合し、この傑作が誕生したのです。
バルセロナチェアの最大の特徴は、ミース独特の直線的なフォルムにあります。クッション部分もはっきりと角が浮き上がり、シャープな印象に仕上がっています。
しかし、薄いスチールを交差させた足により椅子全体に適度な弾力性が生じ、シャープな印象とは反対に、ソフトな座り心地を体験できます。

最近はインターネットなどでコピー品が多く出回っていますが、バルセロナチェアに関しては、クッションの厚みや形、スチールのカーブの繊細なバランスを再現できているものが非常に少ないです。ホンモノの絶妙な造形を、是非、記憶に留めていただきたいと思います。

                            ライタ〜 える

ミース財団による公式ホームページのリンクです。
http://www.miesbcn.com/en/furniture.html
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by mahoutukaisari | 2006-03-01 12:41 | アート
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